こんにちは
今回はシステム本部の戸田が担当します。
読書に関して全く無関心の私ですが、以前子供に 須賀しのぶ「革命前夜」 と言う本をすすめられました。
おすすめする理由を聞いたところLINEで長文が送られてきたので掲載したいと思います。
『1989年(冷戦中でベルリンが分断されてる頃)に、バッハが好きな若い日本のピアニストが東ドイツのドレスデンの音大
に留学する話。
物語の中で描かれること(テーマ)としては「若い主人公が異文化との接触や仲間たちとの関わりを通じて成長していく」
という比較的普遍的なものだがその描き方が独特かつ非常に鮮やかで、結果的に他にはない確かな個性のある作品に
なっている。
ドイツが舞台のクラシック音楽小説ということで初めはとっつきにくさを感じていたが、知らん曲を知らん人が弾いてる
シーンでも詳細に場面を想像できてしまうほど著者の文章力が飛び抜けているため思ったよりスムーズに読むことができた。
「北朝鮮から来た学友のピアノの練習を見る」という、話が大きく動くわけでもなく本来であればサラッと流し読みする
ようなシーンが個人的には一番読んでいて楽しかったほど音楽描写は彩度が高く本作の大きな見所だと感じた。
ただ、読み進める上でどうしてもドイツ知識、冷戦知識、クラシック知識の全てを要求されてしまうため、最初の50ページ
くらいはGoogle片手に調べ読むことを覚悟しなくてはならないのが欠点。
とはいっても国家から監視されているオルガン弾きの人物が登場するなど『冷戦中』の『東ドイツ』が舞台である意味は
大きく当時のリアルな空気感を肌で感じることができるのは強み。
ちなみに主人公は欧米人と皮肉で殴り合える貴重な日本人なので自分は大好き。ハンガリー人のヴェンツェルくんから
「日本って名前は聞いたことあるけど中国の一部だっけ?アメリカの一部だっけ?」と言われて
「地図の勉強をやり直した方がいいぞ」と主人公の眞山が返すくだりが特に好き。』
興味を持った方は是非読んでみては?