コーヒーとフェアトレードについて

ソリューション事業本部の國井が担当させていただきます。

今回は「コーヒーとフェアトレード」という壮大なテーマでお話をさせていただきます。

コーヒーを飲まれる方は多いかと思います。手軽に飲める缶コーヒーやコンビニの機械が抽出してくれるコーヒー、カフェで店員さんが淹れてくれるコーヒーと気軽に飲むことができます。

そんな私たちの生活において当たり前になっているコーヒーですが、生産者側の視点で考えたことはありますでしょうか。

私は大学でまさにこのタイトルについて学習していました。

1杯100円〜500円程度で飲めるコーヒー。300円以上すると高いと感じる方も多いのではないでしょうか。

一方で、生産者は安く買い叩かれるケースが多く、決して裕福とは言えない暮らしをしている方達も多いです。また、児童労働などの問題も抱えています。

そこでよく耳にしていたキーワードとしてフェアトレードがありました。なんとなくマークだけは知っている人も多いのではないでしょうか。

コーヒーとフェアトレードについて、フェアトレードの課題や新たな取り組みについて、下記にまとめてみましたので興味がある方は目を通してみてください。

 

コーヒー豆と市場価格の関係

コーヒーは世界中で愛される飲み物ですが、その価格は国際市場での取引価格に大きく左右されています。市場価格は需要と供給、天候や経済状況などさまざまな要因によって変動します。そのため、コーヒー豆を生産する農家は、自分たちの努力や品質とは無関係に、収入が不安定になることが少なくありません。特に、開発途上国に暮らす小規模農家にとっては、収入の低下が生活の基盤を揺るがす深刻な問題となることがあります。

 

生産者の生活を支えるフェアトレード

こうした状況を改善するための取り組みの一つとして、フェアトレードがあります。フェアトレードは、生産者が最低限の生活を維持できる公正な価格で取引を行い、さらにその上で地域社会の発展を支援する仕組みです。この制度により、生産者は市場価格に左右されず、安定した収入を得られるだけでなく、地域の教育やインフラ整備にも取り組むことができます。

また、フェアトレードは環境保護にも配慮しており、持続可能な農業を推進することで、生産者と地球の未来を守る役割も果たしています。スーパーやカフェで見かけるフェアトレード認証のラベルは、このような取り組みを象徴するものです。

 

フェアトレードの課題

しかし、フェアトレードにも課題があります。それは、認証を取得し、それを維持するための費用がかかることです。初期の認証費用や年次の更新費用、さらには基準を満たすための設備投資やトレーニングコストが発生します。この負担は小規模農家にとって非常に大きく、一部の生産者はフェアトレード認証を取得することが難しい状況にあります。

その結果、フェアトレードの恩恵を受けられるのは一部の生産者に限られてしまい、まだ多くの農家が市場価格の影響を受け続けています。

 

ダイレクトトレードという代替案

こうした課題を補完する仕組みとして、ダイレクトトレードが注目されています。ダイレクトトレードでは、生産者と買い手(ロースターやカフェ)が直接取引を行い、仲介業者を排除します。この仕組みのメリットは、生産者が市場価格に左右されることなく、高品質の豆を適正な価格で評価してもらえる点にあります。

また、買い手と生産者が直接関係を築くことで、品質向上のための技術支援や長期的な取引が可能になります。フェアトレードのような認証ラベルはありませんが、買い手が現地を訪問し、持続可能な生産を確認することで信頼性を確保しています。

 

消費者に求められる役割

私たち消費者は、これらの仕組みを理解し、正しい知識を持つことが重要だと思います。フェアトレード商品を購入することで生産者を支援するのはもちろん、ダイレクトトレードを採用しているブランドやカフェを選ぶことも、生産者の生活や持続可能な生産を支えることにつながります。今までは高いと感じていた1杯500円のコーヒーも背景を知ることで、それが適正な価格に思えるかもしれません。

何事も表面上の情報を鵜呑みにするのではなく、本質を理解できる人間でありたいです。