山形の生活

今回はイノベーション事業本部のシステムグループのソロンゴが担当します。

春の山形──美しき旅の記録

春が訪れました。暖かな陽射しが降り注ぎ、草木が芽吹き、花々が競うように咲き誇る季節です。

山形に来て、気がつけばもう七か月。出会った人々、訪れた場所、味わった美食の数々……どれも心に刻まれ、忘れがたい思い出となっています。

今日は、その中でも特に印象深かった旅を紹介したいと思います。

  1. 幻想の銀山温泉

山形県が実施している、県内で働く外国人向けの観光プログラム「Discover Yamagata」に昨年参加させていただきました。最初に訪れたのは、まさに『おしん』の世界を彷彿とさせる銀山温泉でした。

幼い頃、テレビで見たドラマ『おしん』。苦難を乗り越え、健気に生きるおしんの姿と、背景に広がる日本の原風景。その中で初めて目にした「おにぎり」に心惹かれ、祖母にねだったことを今でも覚えています。しかし、祖母の炊く米はひまわり油を使っていたため、握ることができず、困らせてしまったものです。

銀山温泉には、大正時代に建てられた美しい建物が今もなお残り、まるで100年前にタイムスリップしたかのような感覚を味わえました。ガス灯が灯る街並み、足湯、川を渡る赤い橋、昔ながらの郵便箱、そして白銀の滝──どこを見ても絵になる風景ばかりです。その建築美はまるで博物館のようで、歴史と自然が織りなす幻想的な世界に心奪われました。

この旅の機会をくださった山形県の皆さまに、心から感謝しています。

  1. 雄大な蔵王温泉

両親とともに訪れた蔵王温泉。ロープウェイで山頂へ向かうにつれ、眼下に広がる絶景に言葉を失いました。険しい山々に囲まれた白銀の世界。乗り物は少し揺れ、スピードも速かったため少し怖かったですが、無事に山頂へ到着しました。

山頂は風が強く、少し寒かったですが、その清々しさが心地よかったです。両親も山形の雄大な自然の美しさに感動していました。

スキーやスノーボードを楽しむ人々を眺めながら、冬ならではの景色を堪能。樹氷はすでに溶けてしまっていましたが、それでも山頂からの眺めは圧巻でした。自然の力強さを肌で感じ、心が洗われるようでした。

下山後は温泉へ。内風呂と露天風呂のどちらも心地よく、湯に浸かるたびに身体が芯から温まりました。「毎日こんな温泉に入れたら、どんなに贅沢だろう……」と、幸せを噛みしめながら至福のひとときを過ごしました。

会社が車を貸してくれたおかげで、私も両親も有名なこの場所を訪れることができました。会社の皆さまに心から感謝しています。ありがとうございました。

  1. 神秘の羽黒山神社

冬の羽黒山は、まさに神秘そのもの。バスで登る道は厳しく、雪に阻まれながらの道行きでした。何度もバスが立ち往生し、そのたびにチェーンを巻き直しながら進むドライバーとガイドの方々。その姿を見て、申し訳なさと感謝の気持ちが入り混じりました。

昔の修験者たちは、この険しい道を歩いて登ったのだと思うと、現代の便利さが身に沁みます。

そして、たどり着いた三神合祭殿。しんしんと降る雪の中に佇む社殿は、まるで異世界に足を踏み入れたかのような神聖な雰囲気を放っていました。

精緻な彫刻が施された社殿、澄んだ空気、そして白銀に包まれた静寂の世界……。かつての人々が手作業でこの壮大な建築を築いたことに、畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。

昼食には、山形の美食が待っていました。芋煮をはじめ、新鮮な魚、ふっくら炊き上げられた山形産のお米……そのすべてが格別の味わいでした。「Discover Yamagata」バスツアーの皆さん、素晴らしい体験をありがとうございました。

 

終わりに

山形で過ごした日々は、まるで一編の詩のように美しく、心に深く刻まれています。

これからも、まだ見ぬ景色、まだ出会っていない味、まだ知らない歴史に触れる旅を続けていきたいと思います。

では、また。